「ぐりとぐら展」に行ってきた 誕生50周年記念、松屋銀座で開催中

140303_guri_01小さい頃に読んだ絵本というのは大人になっても記憶に残るものだが、間違いなくその代表作のひとつと言えるのが、ふたごの野ねずみが主人公の「ぐりとぐら」シリーズではないだろうか。
お料理することと食べることが大好きなぐりとぐらが、巨大な卵を使って森の中で作る大きな大きな黄金色のカステラに憧れたちびっこも多いはずだ。シリーズは累計2400万部にのぼり、日本ならず世界でも愛されている名作である。
1963年に中川李枝子さんと山脇(大村)百合子さんの姉妹により誕生した「ぐりとぐら」シリーズが50周年を迎えたということで、現在「ぐりとぐら展」が東京の松屋銀座8階イベントスクエアで開催中だ。

『ぐりとぐら』を読んで育った筆者も、さっそく会期2日目に足を運んだ。平日の午前中にも関わらず、子連れのお母さんはもちろんのこと、年配のご婦人やOLさんで大盛況である(男性は数えるほど)。
「ぐりとぐら展」では、全7作品の貴重な原画をはじめ、姉妹のデビュー作である『いやいやえん』の挿絵原画まで170点以上を展観している。

入口にほど近いスペースでは、1963年に月刊誌『母の友』に掲載された『ぐりとぐら』の原型とも言える『たまご』も展示。挿絵はモノクロで紙も黄ばんでおり、その年月の長さを思うと改めて多くの人に長く愛されている名作なのだなと実感した。
会場全体は、デザイナーの小泉誠さんの手により、シリーズの象徴とも言える卵、毛糸、かぼちゃの巨大なオブジェがところどころに置かれ、また巨大な絵本がパーテーションのように立てられているスペースもあり、子供だけでなく大人でもワクワクする空間だ。

また、親交が深いスタジオジブリの宮崎駿監督と中川さんの対談映像は必見。中川さんが『となりのトトロ』の主題歌「さんぽ」を作詞しているのは有名な話であり、また三鷹の森ジブリ美術館で上映している短編アニメーションの『くじらとり』は、『いやいやえん』が原作である。筆者もだいぶ昔に同美術館で『くじらとり』を見た時は、貴重なコラボレーションだと感動した。
宮崎監督、実は『ぐりとぐら』を映像化しようと試みたことがあったとか。そんな興味深い話が聞けるので、お二方のファンにはたまらないだろう。

映像コーナーはもう1箇所あり、そこでは中川さんが巨大カステラの誕生秘話を語っている。当時、保育士をしていた中川さんの子供達への愛情が伝わってくる、心温まるインタビュー映像だ。ちなみにそのコーナーには、さりげなくカステラ風のソファが設置されているので、腰かけてじっくり見よう。
そして読書コーナーでは、心地良い木のぬくもりのあるスペースで自由に絵本を読むことができる。存分に『ぐりとぐら』の世界に引き込まれよう。温かく柔らかいタッチのイラストとユニークなストーリーは、大人になってもなお胸がキュンとして、自然に笑顔になってしまう。

また、本展ならではの会場限定オリジナルグッズ販売コーナーがあり、散財が予測されるのでご注意を。
ラインナップは、「ポストカード(税込各150円)」「おりがみのセット(税込500円)」「ちいさなノート(各500円)」「おもいでの小箱セット(税込1500円)」「トートバッグ(税込各1800円)」「ハンカチ(税込各1000円)」「図録(税込2000円)」。
筆者は厳選した上で、図録とトートバッグ(小)、おりがみのセット、大きなカード(カステラ)を購入。残念ながらトートバッグ(大)は初日に、トートバッグ(小)は土日で完売したようだ。

『ぐりとぐら展』は、松屋銀座で3月10日(月)まで開催した後、7月20日から鹿児島、9月6日から広島、2015年には愛知、兵庫、福島と予定されている。詳細はオフィシャルサイトを参照。当日券は一般1000円、高大生700円、中学生500円、小学生以下無料。どうしても都合がつかないけれどグッズだけでも欲しいという人は、松屋のオンラインショップを利用しよう。

誕生50周年記念 ぐりとぐら展
http://www.asahi.com/event/gurigura50/
ぐりとぐら展 Facebook
https://www.facebook.com/gurigura50
外商セレクトMGオンライン ぐりとぐら展 オリジナルグッズ(3月10日12時まで)
http://www.welci.jp/matsuya/user_data/gurigura/top.php

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