140411_ibm_012014年3月10日、IBMイノベーション・センター(渋谷マークシティ18階)にて起業家支援プログラム「IBM Global Entrepreneur Program(グローバル・アントレプレナー・プログラム 以下GEP)」のお披露目イベントが行われた。 GEPとは先進的なスタートアップ企業に対して、IBMの技術や製品などを無償で提供し、事業展開を支援するプログラムだ。すでに4年前から世界各国でスタートを切っており、本年度より、ついに日本での展開を開始する。

日本の初年度のGEPへの参加条件は、起業後5年未満で株式未上場であること、基本的にB2Bの製品(サービス)を扱っていること、そしてIBMテクノロジーを用いたITを基盤とした製品(サービス)を開発もしくは開発する予定があることだ。

IBMは2007年以降、クラウドへの取り組みを加速するため数多くの有力企業を傘下に収めてきた。その成果として、高速ネットワーク接続によるハイパフォーマンス・コンピューティング環境を提供するIBM SoftLayer(ソフトレイヤー)や、Cloud Foundry Baseでオープン、統合的かつ柔軟性の高い開発環境を提供する次世代クラウド・プラットフォームBlueMix(ブルーミックス)など、ソフトウェア分野のスタートアップ企業を強力に支援できる体制が整った。なお、BlueMixはオープン・ベータが開始されており、現在、誰でも利用することができる。(www.bluemix.net)

IBMではGEPのお披露目に際して「世の中を変えるパワーやアイディアはベンチャーが持っています。GEPを通じてIBMの持つ技術やグローバルネットワークを、スタートアップ企業に提供することで、新しい時代を切り拓くお手伝いをしていきます」と説明している。

スタートアップ企業は、このGEPによって前述の強力なソフトウェアの多くを最長3年間無料で利用でき、ローコスト化はもちろん、開発の周辺業務削減やセキュリティの向上、拡張や変更の容易性など数多くのメリットを享受できることになる。起業時にこうした自由度が高く先進的なクラウド環境を無償で使えることの意味は大きい。会場となったIBMイノベーションセンターを軸に、技術開発のための複合的なサポートが受けられる。

もう一点特筆すべきポイントは、IBM SmartCamp(スマートキャンプ)だ。このスマートキャンプでは、GEPに参加する世界中のスタートアップ企業がグローバル・レベルでコンペティションを行う。各地で予選を勝ち抜いたスタートアップ企業が、毎年2月のGlobal Finalに進出し、世界中のメディア、アナリストや各種インフルエンサーから注目を集めることで、またSmartCampで勝利し信用を得られることによって、ベンチャーキャピタルからの出資やビジネス拡大など飛躍のチャンスを得る仕組みだ。

これらの取り組みの一部を一足先に導入してジャンプアップを果たした企業がある。株式会社シンクスマイルは「ほめるを見える化」する仕組み、CIMOSをIBMとのパートナーシップによって開発した。CIMOSは社員が互いに「バッヂ」を送り合うことで、承認欲求を刺激し、モチベーションの向上と目的意識の明確化を図る新しい人事ツールだ。これまでのしかつめらしい人事考課ではなく、ゲーム感覚あるいは「いいね」の様に気軽に評価しあえることでチーム全体の効率化を図る仕組みであり、先行例としてIBMとのパートナーシップの様子を説明した。

イベント終了後、参加者の声を聞いてみた。
「IBMの起業家支援の取り組みがよくわかった。日本の起業家がグローバルに進出しやすい、若しくは国内でももっと発展できるような仕組みになることを期待したい」「SoftLayerは、インフラを提供しつつその後のケアまでしてくれる点で大変勇気づけられる。自社はもちろん周辺の熱意あるスタートアップ企業にも教えてみたいと感じた」
担当者に熱心に質問をしていた海外からの参加者は「クラウド環境での開発にはとても望ましいプログラムだ。BlueMixに大変興味がある。無料でこうした環境が使えることは素晴らしいと思う」

経済同友会終身幹事で日本IBMの相談役でもある北城恪太郎氏は、GEPについて「日本で起業する人は日本の市場だけを考えている人が多いのですが、世界に打って出ないと大きく伸びません。アメリカでベンチャーを興す人は、最初から世界がマーケットだと思っています。最近は日本でも世界に出て行く企業がありますが、より多くの起業家にもっと大きな地図を描いて欲しいと思います。IBMは海外のIBMとのネットワークを持っています。起業家のみなさんが事業を展開する時にもGEPを上手に活用してください」と語る(日本IBMでは、北城恪太郎の特別インタビューを公開中。詳細は下記リンクを参照のこと)。

IBMのサポートで、ベンチャー企業のスタートアップ成功率向上を狙う取り組みは今後も加速して行く。5月13日(火)には六本木アカデミーヒルズで、新たなパートナーシップを結ぶベンチャー企業を見出すための「IBM Software & Cloud Innovation」が開催される。最先端のテクノロジーや活用方法、ビジネスモデルの考え方、最新の市場動向に加え、クラウド時代に生き残るためのノウハウなど多彩なセッションでご紹介する。
また東京だけでなく全国4都市で開催される「IBM Cloud Exchange 2014」も見逃せない。5月19日(月)の札幌、26日(月)の大阪、6月3日(火)の福岡、11日(水)の金沢でSoftLayerを核にした「もうひとつのCloud」を活用したイベントが開催される。本イベントではハンズオンセッションを通して他社とのクラウド・サービスの違いを実感いただけます。

IBMにはエンタープライズ・カンパニーのパートナーというイメージを抱いている起業家も多いかもしれないが、ベンチャーでもIBMとパートナーを組む仕組みは既にスタートしている。国内市場はもちろん、海外進出も見据えた起業家は、IBM Software & Cloud Innovationに参加して、その詳細について確認すると良いだろう。

多くの起業家が求められている日本の現状において、世界マーケットで戦えるプレイヤーを早急に育成できる可能性を秘めたIBMの取り組みには注目していきたい。

<プログラム入会リンク>
IBM Global Entrepreneur Program
https://ibm.com/partnerworld/wps/servlet/ContentHandler/isv_com_smp_startup
IBM SoftLayer Catalyst Startup Program
http://www.ibm.com/cloud-computing/jp/ja/softlayer_catalyst_program.html

<関連セミナーリンク>
IBM Software & Cloud Innovation
http://ecod.jp/
IBM Cloud Exchange
http://www.ibm.com/services/jp/info/leaders-forum2014-spring/ice/?REF=O13

北城恪太郎 特別インタビュー
http://www.pronweb.tv/modules/pico/index.php?content_id=51