特別展「みちのくの仏像」が東京国立博物館で開催

140925_tohoku_01京都や奈良を始め日本全国には優れた仏像が多くあるが、東北地方にもまた魅力的な仏像が伝わっており、仏像マニアの間でも人気を誇る。
東北で仏像が本格的に受け入れられるのは平安時代に入ってからのことで、同時に仏像も造られるようになった。みちのくの仏像には、像の主要部分を一つの材から作る「一木造」、透明な塗料を用いて木材の風合いのまま仕上げる「素地仕上げ」、そして力強い表現などが多く見られるが、その顔は悟りを開いた超越者というよりは人間味が感じられ、厳しい自然に生きた人々の強さと優しさが表れているようだ。

そんな東北地方に伝わる仏像を集めた特別展「みちのくの仏像」が、2015年1月14日(水)~4月5日(日)まで東京国立博物館 本館特別5室(東京・上野公園)で開催される。
目玉は、なんと言っても東北の三大薬師で、国宝である福島県・勝常寺の「薬師如来坐像」、重要文化財である岩手県・黒石寺と宮城県・双林寺の「薬師如来坐像」が出品、この3体が揃うのは初となる。いずれも一木造で、厳しい表情の中に人々を見守る優しさが感じられる。なお、福島県・勝常寺の薬師如来坐像は、東京での公開は15年ぶり。

また、岩手県・天台寺の「聖観音菩薩立像」、山形県・本山慈恩寺の「十二神将立像」、宮城県・給分浜観音堂の「十一面観音菩薩立像」などを始め、東北6県全てから仏像が出品される。

さらに、東京国立博物館平常展調整室長の丸山士郎さんを講師として、記念講演会「みちのくの仏像」を2015年1月24日(土)東京文化財研究所セミナー室にて実施。定員は110名で、事前申込制、応募者多数の場合は抽選となる。聴講は無料だが、本展覧会の観覧券または半券が必要。

申込方法は、往復はがきの「往信用裏面」に郵便番号・住所・氏名(ふりがな)・電話番号を、「返信用表面」に郵便番号・住所・氏名を明記の上、〒106-8791 麻布郵便局留 特別展「みちのくの仏像」講演会係 まで送付。締切りは12月15日(月)必着。1枚のはがきで最大2名の申込みが可能。2名の場合はそれぞれの氏名を必ず明記のこと。

なお、本展の収益の一部は、被災した文化財の修復に役立てられる。会期中には東日本大震災から4年を迎えることになるが、本展は仏像を通して東北の魅力にふれることで、復興の一助となればという願いが込められている。

【「みちのくの仏像」開催概要】
開  催:2015年1月14日(水)~4月5日(日)
場  所:東京国立博物館 本館特別5室(東京・上野公園)
開館時間:9時30分~17時(3月、4月の金曜日は20時まで開館)。月曜休館。
入館料:一般=1000円、大学生=700円、高校生=400円、中学生以下無料
※前売および20名以上の団体料金は100円引き。
前売券:10月15日(水)~2015年1月13日(火)まで東京国立博物館 正門チケット売場(窓口、開館日のみ)、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンイレブン、イープラスほかで販売

特別展 みちのくの仏像
http://michinoku2015.jp/

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