140930_police_01明治7年に警視庁が創立されて今年で140年。そこで警視庁では創立140年を記念し、この間に起こった事件を対象に警察全職員へのアンケートを実施、重大事件ランキング100を発表した。これは警察官から見たという点で、事件のランキングとしては意味深いデータである。

そのデータをもとに、明治から平成にかけて起こった数々の事件をランキング順に紹介したのが、今回学研パブリッシングから発行された『警視庁重大事件100~警察官の闘いと誇りの軌跡~』である。
アンケートに際して寄せられた警察官のコメントも載せられており、そこには「事件をきっかけに警察官を目指した」「事件で仲間を亡くした」などの生の声があり、事件に対する強い思いを知ることができる。

また、アンケートを警察職員に行った後に一般市民の投票が行われ、一般市民が選んだ重大事件100も発表されており、本書ではそのランキングを同時に掲載。警察官と一般市民のランキングの差から、重大だと思う事件や、その関心の強さの違いがわかり興味深い。

その一部を紹介すると、まずそのどちらでも1位を獲得したのが、地下鉄サリン事件などで世間を震撼させた「オウム真理教事件」である。一つの宗教団体が起こした国家への凶悪テロ事件は、一般市民だけではなく、警察官にとっても最も強い印象を残した重大事件といえる。
また、2位に「東日本大震災」、3位には「あさま山荘事件」と続き、一般のランキングも同様。しかし、9位には近代警察制度が発足した直後の1877年に起きた「西南の役」がランクイン。これは警視庁創設して間もない頃の最初の重大事件であり、警察官ならではのランキングといえよう。

ほかには極めて重要な警備を行った出来事として、昭和天皇の「大喪の礼」、平成天皇の「即位の礼・大嘗祭」や「東京サミット」など、国を挙げての大きな行事もランキング。警察が事件の解決だけではなく、警備という重要な責務を担っていることを改めて確認することができる。

ある資料によると警察制度ができてから2010年までに、5万5000人の警察官が殉職したそうである。日本の治安はそうした尊い犠牲の上に成り立っていると考えると、この創立から現在まで140年間の中で起きた数々の事件は、単に警視庁の歴史というだけではなく、警察官の誇りの歴史そのものといえるのではないだろうか。きっと本書から警察官が職務にかける情熱の片鱗が垣間見えることだろう。
警視庁重大事件100~警察官の闘いと誇りの軌跡~』は、学研パブリッシングより価格1500円(税別)で全国書店、ネットショップで発売中。

警視庁重大事件100~警察官の闘いと誇りの軌跡~
http://hon.gakken.jp/book/1340614500