141209_futaba_01日本でも離婚が珍しくない時代である。2012年の離婚率は35.1%で、結婚したカップルの約3分の1が離婚をしており、1970年の9.7%から考えると実に3倍以上。離婚を考えている(ができない)潜在カップルのことも考えあわせると、圧倒的な数になっていることが想像できる。

だが、そんな高確率でも人は準備をしない。妻(夫)はある日、焦るのだ。離婚情報の少なさに。基礎知識のなさに。お金のこと、家のこと、子どものこと、名前のこと……。どうする? どうなる??

そんな中で支持を集める人気ブログが『ちち子に金棒!』。自称「超庶民派イラストレーター」古野崎ちち子(このさき ちちこ)さんが、2人の娘に勧められて離婚を決意、かなりどうしようもない夫ヒロシとの戦いの顛末を柔らかいタッチのマンガで描いた人気作品である。同じ「当事者」たちからも多くのコメントが寄せられ、にほんブログ村で「離婚」カテゴリーの上位をキープし続けている。
今回その評判に伴いコミックエッセイとして書籍化され、話題になっているのが、『りこんみち  母さんは覚悟をきめたよ』(税抜1000円、双葉社刊、装丁:名久井直子)である。

帯の推薦文は、阿川佐和子さん。《ちち子と一緒に闘って、泣いて、落ち込んで、そしてときどき笑っているうちに、心の重みがうっすらととけていく。》というコメントが、まさにこの本が持つなんともいえない共感力を端的に表現している。
夫が家の権利書を持って家出をするとか、酔って殴りかかってくる夫とのつかみ合いになるなど、リアルで重い事件が多いのだが、不思議と読者の気持ちがそうならないのは、作者に天性のユーモア感覚があるからだろう。

著者古野崎さんは語る。「本を読んだ方から《読み終えたあとのこの爽快感は何?》という感想をいっぱいいただきました(笑)。それはね、どんな時でもヘコまず、ちち子一家が前向きだからなんです!」「子どもがいるから別れないという選択もありますが、子どもがいるから別れなきゃ、ということだってあるんです。私はそれでした」。

意外とタフだった娘2人と共にダメ夫(ダメ父)と闘い、時に泣き、落ち込む。そんな彼女たちのたくましさに、ほっとして勇気づけられる。ちち子さんと同じ境遇の人には様々なヒントが詰まっているし、そうじゃない人にも夫婦や家族とは何か、考える良いきっかけになる1冊である。

本書にはコラム『離婚マメマメ講座』も掲載。「協議離婚と調停離婚」「親権」「養育費」などをテーマに据え、区の婦人相談課での話などが当事者の体験談としてわかりやすく説明されている。なお、書籍化にあたりイラストや文章は「徹底的に加筆修正しました」(古野崎さん談)ということで、ブログの読者も改めて楽しめる内容になっている。

そして実は、現在もブログは続いており、ちち子=ヒロシ夫妻は現時点でも離婚できておらず、話題も複数の知り合い夫婦のバトル話に広がりつつあり、目が離せない。

ちち子さんのペンネームは、「“このさき”、ずーっと母と“ちち”の代わりをして、“こ”どもたちと力をあわせてやっていきます!!」という決意が込められているが、その名前通り、母娘でこれから先も苦難を乗り越えていくはずだと信じながら続編を待ちたい。

りこんみち  母さんは覚悟をきめたよ
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-30737-5.html
ちち子に金棒!
http://meburabura0514.blog.fc2.com/

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