激動の幕末から明治にかけて、北海道開拓時代に度重なる苦難を乗り越え生きた熱き男の物語

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現在放映中のNHKの大河ドラマ『花燃ゆ』でも舞台になっている明治維新期。激動の時代、北海道にいた熱き男の生き様を手塚治虫が描いた作品が、この度発売された『シュマリ』である。2015年1月より発売が開始された三栄書房「手塚治虫セレクション」の第2弾として、この隠れた名作が手軽に手に取れるコンビニコミックになった。

江戸が東京に、蝦夷が北海道となった変化の時代、己の信念を貫き通し、真っすぐに生きた男シュマリ。奪われた妻を追って北の大地に渡ったシュマリは、元旗本でありながら果てしない北海道の大地と空を愛し、開拓者として生きていく。
そんなシュマリを容赦ない大自然と文明開化の波が襲うが、それでも諦めず、自身の信念を曲げることはない。今では珍しいほどの無骨さと頑固さを持つシュマリは、手塚治虫の“生きる”というテーマを力強く伝えている。

本作では、舞台となった北海道の開拓史についても詳細に知ることができる。五稜郭の軍用金の行方や、北海道開拓とアイヌの攻防、北海道炭鉱についてなど、手塚治虫が丹念に調べあげた史実が物語と見事に融合している。
また物語では、新撰組副長だった土方歳三がシュマリと深く関わりあうことになる。五稜郭で討たれたとされた土方が生き延び、シュマリにどう感化され生きたのか、手塚の創作力の見どころと言えよう。

史実をベースにした壮大な歴史を背景に、北海道の広大な自然に生きる男たちを描いたロマン大作、三栄書房の手塚治虫セレクション第2弾『シュマリ』は上下巻、価格は各537円(税別)。2月20日より全国のコンビニエンスストアで発売中。

シュマリ上巻
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=8106
シュマリ下巻
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=8107

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