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1月より発売がスタートした、三栄書房のコンビニコミックシリーズ「手塚治虫セレクション」だが、その第3弾『陽だまりの樹』の第一巻・第二巻が発売中だ。
『陽だまりの樹』は、江戸から明治、幕末の動乱を生き抜いた対照的な2人の若者を描いた物語である。2000年にはテレビアニメ放送され、2012年に上川隆也と吉川晃司のW主演で舞台化、同じく2012年にNHKBSプレミアムで市原隼人と成宮寛貴でドラマ化しているのでご存知の方も多いかもしれない。

特筆すべきは、この作品は手塚治虫自らが自身のルーツを描いた漫画であること。主人公2人のうちの1人、手塚良庵は実在の人物で、手塚治虫の曾祖父なのである。つまり『陽だまりの樹』は、手塚治虫が詳細に調べた史実と、フィクションのキャラクターが見事に一体となった大河ドラマなのだ。

時は動乱の幕末。蘭学医・手塚良仙の息子の良庵と、府中藩士の伊武谷万二郎は、善福寺の娘・おせきをめぐって対立していた。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大阪へ。緒方洪庵のもとで種痘を広め、種痘所(後の東京大学医学部の前身)の創設に関与する。
一方の万二郎は、江戸城に呼ばれ老中・阿部と謁見。その場で異人は斬らないと告げた万二郎は、黒船に乗ってやってきたアメリカの通商使節・ハリスと、通訳・ヒュースケンの護衛を命じられる。

正義感が強く、直情型の下級武士・伊武谷万二郎と、ちゃらんぽらんな性格で女好き、しかし医師として情熱に富み、優れた技術を持つ手塚良庵の2人が、時には恋敵となり喧嘩をしながらも、次第に立場の違いを越えて互いを認め合い、人間として成長していく様を丁寧に描いて大作だ。

なお、巻頭にはオリジナルの年表が付いており、実際の幕末の歴史と『陽だまりの樹』の世界を照らし合わせながら見て楽しむことができるようになっている。
ドラマや映画は知っているけど原作は読んだことがない、または改めてまとめて読みたいというファンは、コンビニで手に取ってみてはいかがだろうか。
『陽だまりの樹』は各巻690円(税込)にて、全国のコンビニエンスストアで現在第二巻まで発売中、全四巻で完結の予定。

手塚治虫セレクション『陽だまりの樹』
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=8136