かつてテレビ化された懐かしのヒーローが一冊で読める

151002_book_01今回の手塚治虫セレクション『奇想天外!!SFヒーロー』では、1960年代の白黒テレビ時代に放映されたアニメ「W3」「ビッグX」、また1970年代に放映された「ミクロイドS」「海のトリトン」の原作マンガ、そして特撮テレビ番組「サンダーマスク」の原作マンガと、かつてテレビで人気となった懐かしいマンガが収録されている。

TVアニメというと、国産第1号の連続TVアニメ「鉄腕アトム」が制作され、その後、数々の国産アニメが制作され始めた。TVアニメ初期において手塚治虫の作品はその草分けであり、日本のアニメの歴史は手塚治虫作品で始まったといっても過言ではない。

当時のアニメは原作とまったく違うこともあり、特に手塚治虫のマンガはアニメとは違った独自のストーリー展開をしていることも多い。
また、アニメ作品になった作品ということで、子ども向けだろうと高をくくっていると大間違いだ。
それぞれの作品には、手塚治虫らしいその時代を反映したしっかりしたテーマとメッセージがあり、大人が読んでも読み応えがある。かつてアニメは見ていたものの、原作マンガは読んでいないといった方もこの機会に読んでみてもらえれば、その違いがわかって面白いだろう。

また本書では、珍しいマガジン版「W3」が特別掲載されている。
「W3」は『少年サンデー』で連載されていたと思っている方も多いが、最初は『少年マガジン』で連載が開始されたものだった。
しかし、諸事情があってストーリーも新たに『少年サンデー』で連載が開始されることになったのである。当初、どんな設定で「W3」が始まろうとしていいたのか貴重な資料でもあり、手塚治虫ファンにとっては嬉しい特別収録である。

三栄書房の手塚治虫セレクション『奇想天外!!SFヒーロー』は価格639円(税別)。9月28日より全国のコンビニエンスストアで発売中。

三栄書房『奇想天外!!SFヒーロー』
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=8398

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