PR会社と企業担当者のやりとりで知る広報の指南書

160314企業が一般生活者と関係を築く上で欠かせない施策であるPR。広告とは違うアプローチで世の中の共感や理解を得る事を目的とするPRだが、メディアの広告掲載枠を購入すれば目的を達成する広告とは違って分かりにくく、中には広告とPRを混同している経営者もいるだろう。
また、経営者から企業広報担当に任命されたものの、最初に何から始めれば良いかと途方にくれているかもしれない。

そんな経営者や担当者ならば必読なのが、宣伝会議より発売中の『広報の仕掛け人たち』。本書はPR会社の担当者が「PRはこんなに素晴らしいんですよ」と宣伝するだけのものではなく、PR会社の担当者と、そのクライアントである企業の担当者が実名で登場し、PRプロジェクトを成功させるまでのストーリーをインタビュー形式で取材、編集したものだ。

紹介される事例は全9章にまとめられている。クライアントにはスターバックス コーヒー ジャパンやニューカレドニア観光局、大分県、赤十字国際委員会などが名を連ねている。注目すべきはクライアントとPR会社の関係性だ。

いずれも単なるPR代行業と発注者の関係では無く、ビジネスパートナーとしての関係性を築いている。PRに対する要望を額面通りに受け取るだけでなく、そこに至るまでのストーリーを描き、PR施策の結果、世の中の何が変わり、どのような結果で利益を生みだすか。そこまで知恵を働かせているのがわかるだろう。

これは中小企業の経営者や広報担当者も注目すべきポイントだ。影響力のあるメディアに広告を出すには、多額の広告費が必要となる。ただ、世の中を動かすアイデアであれば、考え方次第なのである。本書は、そうしたアイデアを生みだす種となる、具体的なストーリーが掲載されているのだ。

宣伝会議『広報の仕掛け人たち』は1800円(税別)で、全国書店やamazon等で発売中。誰でも分かりやすいPRの指南書は、これから広報の世界を目指す学生にもお勧めだ。

広報の仕掛け人たち
http://www.amazon.co.jp/dp/4883353508/

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