国鉄時代の通勤電車は乗車率300%だった!昭和60年代の通勤電車をカタログで回顧

170223futaba2013年の「みどりの山手線」期間限定復活や、2015年末の新型車両がニュースとなり、山手線をテーマにしたDVD(運転席からのノーカット映像を収録)がファンの間で話題になるなど、通勤電車に親しみを持っている人は多いのではないだろうか。

そんな人々の生活に密着してきた電車の、昭和末期の様子を収めた“国鉄”のカタログムック『昭和60年代の国鉄通勤電車(税別1450円)』が双葉社から発売となった。

ご存知の通り、昭和62年4月1日、国鉄は民営化されJRとなったわけだが、日本経済が順調に伸長していた昭和の末期に、国鉄は激動の時代を迎えていた。当時、首都圏に代表される都市部の通勤路線の乗車率は最大300%だったという。労働組合運動による遅延や運休が多発もあり、乗客が暴動を起こすまでに至った。

本書ではそんな当時の事情を交え、当時の路線やダイヤ、車両について回顧する。国鉄最後の本格的ダイヤ改正となった昭和60年3月から分割民営化が実施された昭和62年4月の情報をベースとしているが、国鉄からJRへ変遷した際の輸送の変化を示すため、昭和40~50年代の情報も適宜掲載している。

昭和60年代の国鉄の通勤路線事情を各種データで解析した「国鉄通勤全線路カタログ」は、山手線や中央線、京浜東北・根岸線といった首都圏はもちろん、大阪環状線などの関西圏、仙石線の仙台地区、中央本線の名古屋地区、宇部線、小野田線などの中国地区、筑肥線の福岡地区と、全路線のカタログを網羅。

そして「103系」「103系 1500番台」「105系」「201系」といった今なお現役の電車と思い出の名車を綴る「国鉄通勤型電車カタログ」、「101系」「103系 1000番台」「203系」「301系」など明治から昭和にかけて誕生したバラエティー豊かな顔ぶれを収めた「国鉄型通勤電車 旧型国電の沿革」のほか、「昭和のモーター音MT54の“唸り”の検証」なども楽しめる。ファンならぜひ手元に持っておきたい1冊だ。

【目次】
・昭和62年の国鉄通勤電車マップ
・国鉄通勤電車黄金時代
・国鉄通勤電車全盛時代はどんな時代だったのか
・国鉄通勤全路線カタログ
・国鉄通勤型電車カタログ
・国鉄型通勤電車 旧型国電の沿革
・博物館展示 国鉄通勤電車ガイド
・国鉄~JR 通勤電車発達史
・昭和のモーター音MT54
・旧型国電・101系 運転日誌

昭和60年代の国鉄通勤電車
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-45656-1.html

写真提供:荒川好夫
写真提供:荒川好夫

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