戦国時代から連綿と続く東三河 手筒花火

コロナ禍の中で頑張る 豊橋 炎の祭典 ~霜月の舞~

花火の歴史は古く戦国時代に遡る。愛知県豊橋市の吉田神社に保存されている記録「三河国古老伝」には約450年前の1558年に、この地から花火が始まったと記載されている。

日本で初めて花火を見た人と言えば、諸説のある中で一番有力な説が、徳川家康公が1613年8月にイギリス国王の使者が持参した木の筒に火薬を詰めた花火「立ち花火」を駿府城で見たという文献が残っている。

現在では、吉田神社及び豊橋周辺地域の神社の氏子らによって五穀豊穣や無病息災、家運隆盛などを祈る地域の奉納行事として連綿と引き継がれている。

吉田神社では、約450年もの間、毎年300本ほどの手筒花火の奉納が行われており、今年は新型コロナウイルス感染症を予防する意味で観客を入れずに手筒花火10本の奉納を行った。

豊橋の炎の祭典「炎の舞」は、炎の祭典実行委員会の主催で平成8年から開催され、今年で25回目を迎えた。当初9月の開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響により開催が中止となり、改めて11月28日に予防対策を充分に行っての小規模開催となり、心待ちにしていた観客を前に、浅井よしたか豊橋市長の挨拶により開会された。

小規模な花火大会とは言え、火薬量2,400gを詰めた三斤の手筒花火は迫力満点で、三河伝統手筒花火連合会会長 花井 由美(よしみ)氏による手筒花火の解説を交えながら手筒花火の打ち上げ。さらに、和太鼓集団「志多ら」による心に響く和太鼓演奏があり、三斤2本の手筒花火と乱玉打上(連発打上花火)でクライマックスを迎えた。(※ちなみに地元では、手筒花火の打ち上げを「出す」と言う)

自ら何度も手筒花火を打ち上げている花火写真家 金武 武(かねたけ たけし)氏は、手筒花火の魅力をこう語る。「この手筒花火は本当にシンプルな火薬を使っている花火なのに何度見ても感動する。多彩な色合いの打ち上げ花火のように華々しくはなく、オレンジ色の火しか出てこないのに何度も心を熱くする魅力を持っている。それを450年もの長きにわたり、この町がずっと続けているのはとても素晴らしい事だと思う。今後もこの手筒花火を応援していきたいので、皆さんも一緒に応援して下さい。」

豊橋商工会議所 炎の祭典
https://www.toyohashi-cci.or.jp/event/honoo.php

和太鼓集団「志多ら」https://shidara.co.jp/

花火写真家「金武武」https://k-takeshi.hp.gogo.jp/pc/


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