オンラインショップ網の発達により、これまで店頭に並びにくかった全国各地の名産品がネットで簡単に購入できるようになって久しいが、中には店頭ではなかなか手に入らない限定品も色々とあるものだ。
例えば宝酒造のオンラインショップ「TaKaRaオンラインショップ 宝こだわり酒蔵」では、松竹梅や月桂冠など大手メーカーの日本酒にはあまり興味を持たない地酒ファンも、思わず呑みたくなる興味深い商品が発売されている。
松竹梅白壁蔵の新製品「松竹梅白壁蔵<特別純米>神代穂全量」は、四合瓶(720ml)で60本のみ発売されている超限定品である。
酒造りの特性上、いくら何でも一升瓶換算で24本しか醸されていない事はありえないが、どれだけ調べてもオンラインショップ以外の販売店が見つからないので、残りの酒は関係者用に出荷されたか、他の酒にブレンドされているのかもしれない。
さて、この神代穂全量の注目すべき点は本数の少なさだけではない。
ラベルに描かれている「神代穂」とは、醸造守護の神である京都市右京区の梅宮大社に古くから伝わる酒米で、毎年11月第1卯の日、午前11時に行なわれる「醸造安全繁栄祈願祭(上卯祭)」に参拝した酒造家に授与される特別な米でる。
この酒米で醸された「松竹梅白壁蔵<特別純米>神代穂全量」は、言うなれば神の米で醸された日本酒なのだ。
実は神代穂全量は2005年12月にも80本限定で発売された事があり、筆者も当時購入したひとりなのである。当時の感想のメモ書きによれば、冷蔵庫から出した直後のキンキンに冷えた状態では苦味が気になるものの、酒が室温になるにつれ徐々に飲みやすさを増し、濃醇な旨味を感じる大手メーカーらしくない酒だと評価している。
ただし、今回発売されている神代穂全量は精米歩合60%の特別純米酒であり、前回は精米歩合70%の純米であった。
オンラインショップの説明では「酸味豊かな濃醇な味わいです」と評されているが、以前より若干スッキリとした味になっていることが予想され、ぬる燗で楽しむ食中酒として期待できそうだ。
「松竹梅白壁蔵<特別純米>神代穂全量」の価格は720mlで1942円(税込/送料別)。
酒は先入観では無く、舌で楽しむをモットーにしている筆者にとって、最新の設備が投入される大手メーカーでありながら、マニアックなスペックを持つ商品も展開している事自体が非常に面白いと思うのだが、残念ながら神代穂全量の発売は今回で最後になるとのこと。
この酒が全ての日本酒好きを満足させるかは未知数だが、買わずに後悔するよりも、買って後悔するほうが人生楽しいのではないだろうか。
筆者は既に2本注文済みである。