出口の見えない不況の中、数少ない勝ち組企業として知られる「ユニクロ」は、2009年8月期の連結営業利益が前期比23%増の1080億円になる見通しだと発表した。これはユニクロのフリースを求め、大勢の人が店頭に行列を作った2001年以来の最高益である。
これに対抗するのは、スウェーデンの「H&M(ヘネス&マウリッツ)」やアメリカの「FOREVER(フォーエバー)21」の名が挙げられ、年末にはいよいよアメリカの「アバクロンビー&フィッチ」が上陸予定。
大量生産による価格の“安さ”と、大量に販売することで商品の回転をあげ、その時期の流行を敏感に取り入れる“速さ”を兼ね揃えた「ファストファッション」の海外ブランドが、ユニクロの牙城を崩そうと、虎視眈々と狙っている。
その一方で、国内の小売店が「ファストファッション」に対抗する施策として取り組んでいるのが、ネットオークションを活用したインターネット上のWebショップである。
2009年には2兆800億円市場となるという、ネットオークションの市場規模も魅力的だが、これまで実店舗を構える際に、経営を圧迫していたテナント料や人件費を大きく削減し、なおかつ全国の顧客に向けてアプローチが行えるメリットも併せ持っている。
例えば京都府の衣料品販売店「セイズファクトリー」では、大きいサイズから小さいサイズまで、バリエーションに富んだレディース、子供服などを多数揃える特色を押し出した、ネットオークションに特化したWebショップを運営している。
同社の取扱い商品総数は1200点にものぼるが、その全てをネットオークションで販売しているそうで、実際に販売している商品を見てみると、チュニック丈のキャミソールやレースのワンピースなど、この時期に使いやすいアイテムが揃っており、サイズもレディースならSSから10Lまで豊富に取り揃えているのが特徴だ。
ネットオークションの検索機能を活用すると、様々なブランドの中からお目当てのサイズを簡単に見つけることが可能なため「サイズが合えば買い」という洋服選びをしていた人にとっては、サイズを検索し、その中からお気に入りの服を選べるようになる。
上記に挙げた「ファストファッション」を展開する企業がWebサイトを立ち上げても、同一ブランドの中でしか商品検索が行えないため、規模の小さな小売店でも、ネットオークション市場で新規顧客を獲得する可能性があるだろう。
セイズファクトリー担当者の説明によれば、ネットオークションでの商品販売を開始した当初は「Yahoo!ストア」のみでの展開を行っていたが、売り上げに手ごたえを感じて以降、更なる顧客獲得のためビッダーズやモバオクなど複数のオークションに参加するようになったそう。
その際、それぞれのネットオークションで出品、再出品など、商品管理システムが異なるため、オークション管理のASPサービス「eコンビニ」を導入。
「eコンビニ」は1画面で複数のオークションの出品、再出品や、取下げ、管理が可能で、しかもASPサービスであるためインターネット環境があれば、どこでも商品管理が行えるようになったという。
編集部が確認した時点では、Yahoo!オークションにおける取引の総合評価は「非常に良い・良い」が5000件を超えている。
嗜好品であるアパレルの場合、Web上で商品を購入する際には品質や取引の評判が気になるが、ネットオークションでは購入者の声が“評価”という形で表示されるので、迅速な商品の発送や在庫状況が簡単に確認できる「eコンビニ」の役割は、同社にとって見た目以上に大きな効果をもたらしているのだろう。