2009年は東京モーターショーの大きな転換点として記憶される年になるかもしれない。
こうしたショーに出展されるクルマは、生産意思の全くないハリボテのコンセプトカー、テスト的に作ってみて市場の反応を見るコンセプトカー、市販を前提にイメージ訴求をするコンセプトカー、ほぼ発売仕様の先行試作車、今回発表発売するクルマ、すでに販売中のクルマ、と6種類ある。
この中で生産意思の全くないハリボテのコンセプトカーとテスト的に作ってみて市場の反応を見るコンセプトカーはショーの華だが、実は子供騙しに過ぎない大ウソが多かった。
世界各地の自動車ショーの中で、東京モーターショーはこれまでそうしたフィクションの夢物語が多く、メーカーの本気が込められた重要な情報が希釈されてしまう部分が少なくなかったのだ。
しかし、昨年のリーマンショック以来の不景気のおかげで“ストライクゾーンを狙った”本気のクルマがグッと存在感を現したのは、実は東京モーターショーにとって望外の幸せなのかもしれない。
今回ホンダが出展したこのCR-Zコンセプトは、'80年代にホンダが一流の自動車メーカーへ脱皮する原動力となった“ワンダー・シビック・シリーズ”の中で、2+2スポーツ・クーペとして人気を博したCR-Xのイメージを継ぐモデルである。
ホンダはこれをハイブリッドに仕立ててきた。ハイブリッド・スポーツというコンセプトからは初代インサイトの系譜と見ることもできる。
現行インサイトの基本コンポーネントをベースに、排気量を200ccスープアップして1.5リッターに仕立てたCR-Zは極めて現実的。
すでに2010年中の発売がアナウンスされており、25年の時を隔ててトヨタの86との対決が楽しみなモデルだ。【池田 直渡】